名言巡礼
大江町のことは読売新聞日曜版に掲載されていた名言巡礼で知った。その記事のなかで紹介されていた最上川を中心とした街並みを見てみたいと思った。
それから東北地方への旅行では休憩ポイントとして立ち寄ることが多くなった。春から夏にかけてしか行ったことがないので冬がどのような雰囲気なのか分からないが、往時の繁栄を偲べるポイントを紹介したいと思う。
最上川
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最上橋
土木学会選奨土木遺産(どれほどのものなのかよくわからないが、すごそうではある)。
交通のメインは新最上橋にうつってしまって、交通量はあまりない。重量制限のための大型車規制ゲートがある。
橋の入り口に「米沢舟屋敷跡」の案内板がある。ここに舟屋敷があったとすると、当時は最上川の水量も今より多かったのだろう。案内板の図と地形をマッチすることができ、当時の状況を想像することができる。
左沢橋
最上橋ほどメジャーではないが、街灯があって雰囲気のある橋だと思う。
写真をとっているとき、大江町の町議会議員選挙が行われており、他に誰もいなかったからか選挙カーからたくさん手をふられた。残念ながら有権者ではないので、愛嬌を振りまかれても返すものがない。そもそも地元の人は橋の写真など撮らないのではないか。
川沿いの道
最上橋から新最上橋にかけて河原沿いに小道がある。最上橋を下から見ることができる。
よほどの土木好きか川好きでなければここまで下りてこないので散策の穴場だ。ときどき釣りをしている人がいるくらいで、無の境地で見える世界はこういう感じなのだろう。
盾山公園(日本一公園)
最上川を見るために作った公園だと思っていたら、元々は左沢楯山城という城だったらしい。日本一と称しているだけあって、左沢と最上川の対比が素晴らしい。
国道458線沿いに駐車場があって、最上川ビューポイントまでは少し歩く。歩いた挙句、そこまで車で入ってくる人もいるので更に疲れる。
駅から歩いていくとそれこそ遠足になってしまうので、安易に歩いていこうと思わないほうがよい。
左沢駅
左沢線(地元の人はざわ線と呼ぶらしい)の終点。駐車場、駐輪場、ロータリーがあり、町の中心駅として威厳を保っているが時間はとまっている。とても良い時間の止まりかただ。
駅は交流ステーションとなっていて、祭りの囃屋台が2台展示されている。
こういうのが町を練り歩くとさぞ豪勢だと思うが、大正の中頃までは町内の祝賀行事では必ず引き回されていたものの、昭和にはいってから使われたのはたった3度で、解体されて倉庫にしまわれていたようだ。
それはそうだよな。これを引き回すには大人数が必要だし、観客も大勢いないと恰好つかないしな。10人くらい見ている中で騒いでいたらおかしな人たちになってしまう。
平成になって復活したみたいだが、山形とか寒河江とかから人が集まるのだろうか、それとも大江町の住民だけでやっているのだろうか。
街並み
原町通りや中央通りに古い建物が少しだけ残っている。どこも人が住んでいるようなのでじっくり拝見することはできず、写真を撮ってなにごともなかったように立ち去るだけである。
ちょうど清野家の塀の修繕をおこなっていて、漆喰と思われる壁を塗りなおしていた。あれもコンクリートとは違って大変なんだろうな。
左沢代官所跡は案内板だけで、ただの広場になっている。米沢舟屋敷跡もそうだが、「重要文化的景観のまち」というのはやたら想像力を必要とする。
昔の建物がもっと残っていれば人も集まったのだろうけどなあ。当時の左沢は舟運物流の拠点で街並みも次々と変わっていっただろうから仕方ないのか。昔の街並みが残っているのは武家の町が多いし、商人の町に昔の街並みを残せというのも違う話なのかもしれない。
巨海院
山門が立派。本堂も観たはずだが山門が立派過ぎて記憶に残らない。この山門は移転されてきたものらしいが、移転後山門だけ見て帰る参拝客が増えたのではないかといらぬ心配をしてしまう。
大江錦
大江町でしか買えないとされる日本酒、本醸造。 買って帰るより、ふるさと納税で大江町に寄付してもらったほうがお得なので、ふるさと納税を活用しよう。
左沢の感想
土曜日の昼前に左沢に行くことが多いのだけれど、なぜか町を歩いてもほとんど人に会わない。休みの日は皆寒河江や山形に買い物にいったり、河北町でそばを食べているのだろう。
ギラギラ太陽が照り付ける町のなかを川に向かって歩く、川は流れ続けているが時間は止まっている、そういう気分を味わいたければ最適の場所だ。
近くに温泉「テルメ柏陵」もあるので、ドライブの休憩場所としてもお勧めできる。