【村山の温泉】西川町 大井沢温泉 湯ったり館

寒河江市のいこいの森キャンプ場に泊まった翌朝、大井沢温泉の湯ったり館へ行った。 地図で見てすぐ近くだと思っていたら32kmもむこうにあった。国道112号で月山湖までが遠かった。

西川町大井沢

国道112号で月山湖を通り過ぎ、県道27号大江西川線にはいる。
県道にはいると寒河江川沿いに進んでいくが、二ツ掛橋あたりの桧原の集落までなにもない。桧原集落からもう少し進むと大井沢に出る。口ノ宮湯殿山神社のある本道寺の集落まで15km近くありかなり離れている。

なぜこんなことになったのか調べてみたら、寒河江ダムの建設が関係しているらしい。寒河江川の下流にはいくつかの集落があったがダムの建設により移転を余儀なくされ、その結果として大井沢は突然現れる集落に見えてしまうようだ。

ただ出羽三山の玄関としての大井沢への道は、白鷹町の巌龍山蔵高院から朝日川へ山の中を抜けて(いまはもう道がない)、古寺経由で大井沢にでる(大雑把に県道289号沿い)という道智道が主流だったらしい。

大江町の資料によると

大井沢に伝わる古文書の日記には、大日寺の参詣者が 5000 人に達した時に餅つきを行ったという記録がみられ(堀伝蔵 1977)、参詣期間は年間の2ヶ月ほどであったことから、一日当たり 100 人ほどの旅人が道智道を通過したものと想定される。
最上川の流通・往来及び左沢町場の景観 保存計画書 第2章

とあり、最盛期はかなりの人が大井沢にはいったようだ。

湯ったり館

湯ったり館には8時前に着いた。広い駐車場があるが、車は1台もない。

大井沢温泉 湯ったり館

ちなみにこの駐車場は緊急時のヘリポートとして利用するそうで、夜間に駐車する際は温泉館の人に伝えたうえで奥のほうに駐車する必要がある。車中泊をするならば、すこし先の大井沢キャンプ場を使うほうが無難そうだ。

温泉入口には大井沢産の野菜などが売られている。果物でもあれば買おうと思ったけれど、調理が必要なものばかりで貢献はできなかった。

湯ったり館

なかにはいると温泉から出てきたような人が複数いる。駐車場に車がなかったのにどうやって来たんだろう?田舎の人は短距離でも車を使うものだが、ここらあたりの人は歩いてくるのだろうか。

入浴料は300円。
浴場は二つあって、当日の男湯は「月山」だった。浴槽が杉でできていて贅沢だ。
館内に人はいるものの、浴場には誰もおらず貸し切りだった。

湯ったり館 月山

残念ながら加温、循環ろ過でかけ流しではない。
ただ塩辛いナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉なので、非常に温まる。温泉から上がったあとも汗が引かず、外で売店の準備を始めた集落の人たちがダウンのベストを着ているような気温の中で、Tシャツでうろうろしていたほどだ。
2003年にできた温泉なので、そうとう深くまでボーリングしたのだろうか。

志田周子先生

館内には「志田周子先生 活躍の日々」と題して、無医村だった大井沢村で唯一の村医であった方の資料が展示されている。

志田周子先生

大井沢について全く予習なしで来たので、当地にこのような人がいらっしゃったことは知らなかった。
掲示してある資料を拝見して勉強になった。こういう発見も旅の醍醐味である。

志田周子先生に関しては 志田周子(しだ ちかこ)僻地医療に生涯を捧げた女医 に詳しく書いてある。

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左沢にむかう

帰りは国道経由ではなく、県道27号大江西川線で左沢に抜けた。 こちらも見附の集落を過ぎると、柳川あたりまで集落がない。また大井沢トンネルまでは片側一車線のしっかりした道だが、トンネルを過ぎるとすれ違いが厳しいような道になる。

県道27号

写真はなかでも広いところですれ違いも可能だが、途中には片方が崖でもう片方が側溝となっていて、山に乗り上げてすれ違うテクニックも使えないような場所もあった。
すれ違いが苦手な人は国道を使ったほうがよい。国道は流れもよいので到着も早いと思う。
柳川から先は片側一車線となり問題はない。トンネルの先で新しい道を作っていたようなので、こちらの県道もいつかは運転しやすくなるのだとは思う。

大井沢には関係ないことではあるが、すれ違いを最初は「離合する」と書いていた。離合であっているよなとネットで調べてみたら、「離合」はなんと西日本の方言であった。普通に「離合できん」とか言っていたので、「こいつ、どこの田舎者か」と思われていたのかもしれない。