【日本百名山】鳥海山 矢島登山口 康新道ルート

鳥海山

今回の旅行でのターゲットは第一に岩手山、岩手山を達成すれば鳥海山に登ろうと思っていた。
岩手山には月曜日に無事登頂できたので、曜日としては木曜がベストだ。だが木曜は由利本荘市は天気がよさそうなものの、山の天気予報では鳥海山は不適となっている。
金曜日は3連休前で少し混雑しそうだがリスクはとれないので金曜日に決定し、木曜日に津軽半島から秋田へ向かう。 blog.misatowater.com

矢島登山口

マックスバリュ矢島店で食料を購入した後、矢島登山口に移動する。ナビの経路検索では県道58号通行止めのため、いったん本荘のほうまでもどる大回りの経路(50km超)を示している。時刻はすでに17:30を過ぎており、50kmも走っていると暗闇の山道を走ることになる。知っている道ならまだしも、知らない山道を暗い中走りたくない。
国道108号には大型通行止めと書いてあったように思ったので、ダメ元で58号をすこし上ってみるとやはり車幅2.1m以上の大型車通行止めだった。1車線の迂回路を走り通行止め区間を抜け、58号をのぼっていく。58号は1.5車線くらいの快適な道でちょうど真っ暗になるころに矢島登山口の駐車場に着いた。矢島駅から20kmちょっとだ。

駐車場はかなり広くトイレまでついている。すでに6台の車が止まっており、小屋泊りの人と車中泊の人と思われる。この時間でこの台数ならば夜間にかけてもう少し増えるだろう。最初は登山口の駐車場で車中泊にしようと思っていたけれど、台数が増えて騒がしくなるのは煩わしい。なので数百メートル離れた祓川キャンプ場の駐車場に移動した。
案の定誰もいない。翌日03:30起床とし、マックスバリュで購入した半額の総菜で飲み始めた。本日および翌日は晴れのはずだが、激しく雨が降っている。標高約1,200mなので麓とは天候が多少違うのかも。明日は晴れるのだろうか。 f:id:misatospring:20190917222641j:plain

登山開始

準備を終え、登山口の駐車場に移動。やはりエンジンかけっぱなしの車がいる。下の駐車場にして正解だった。
暗闇の中ヘッドライトをつけて04:30にスタート。星は見えないが海側が赤く焼けているので天候も問題ないだろう。 f:id:misatospring:20190917222959j:plain 祓川ヒュッテの横を抜けて、竜ヶ原湿原の木道をすすんで行く。祓川ヒュッテのなかでヘッドライトがいくつか動いている。夜明けに向けて出発の準備をしながらこちらの明かりも気になるようだ。

祓川神社を過ぎて10分くらい過ぎたところで先行者を追い抜く。人がいないと思っていたところで明かりがチラチラすると驚く。

賽の河原の手前で少し明るくなりはじめた。沢沿いの岩をすすんで行くのでルートがよく分からない。暗いのもあるが、帰りも何度かルートを外したのでそもそも分かりづらいのだろう。でも道は沢沿いに続くのでよほどルートを離れない限り問題なくリカバリできる。

七ツ釜避難小屋あたりで夜が明け、すっかり明るくなった。 f:id:misatospring:20190917223140j:plain

康新道

康新道は尾根まで平たんな道をすすみ、尾根にあたると尾根伝いに一気に高度をあげていく。 平たんな道は草で囲まれているので、前夜の雨でズボンがかなり濡れる。道ははっきりしているので迷うことはない。 鳥海山 康新道 尾根伝いの道はガレ場がつづく。上りの右手(西側)が切れているので日本海まで見渡せ景色はすばらしい。 鳥海山 康新道 ガレ場の途中でかわいいのがいた。オコジョ・・・、オコジョなのか? 鳥海山 オコジョ 近づいてきては逃げて、「チッチッ」と呼ぶとまた近づいてくる。非常に素早く人が捕まえられるようなスピードではないので、明らかに遊んでいる。しばらく付いて来ていたが、草のなかに消えてしまった。

康新道から矢島口ルートに合流するあたりはルートが分かりづらく、本来道でないところを抜けて合流した。視界も開けており、ガレ場なのでどこからでも抜けれると思うが、知っている人が見れば変なルートをとっていると思われただろう。

頂上

七高山頂には3時間10分で着いた。 ここから火口をいったん下り、新山に向かう。火口を下りきったところの水たまりは凍っていた。 鳥海山 頂上 新山へのルートはずっとガレキでところどころペンキで印がつけられているが、これが分かりづらい。まあ好きなところを行けということだろう。一度は新山の裏手に出て右にも左にも行けず戻ったりした。
ペンキの印があるところまでもどって、頂上から見て右側のルートから頂上へ到着。七高山頂から新山まで30分かかった。 鳥海山 新山 頂上には学生のグループがいた。若者よ、泊まりの登山ではデオドラントを使おう!

学生が去ったのち、頂上を独占する。岩が積みあがった(というようり噴火した溶岩が崩れた)狭い場所なのでけっこう怖い。
そろそろ降りようかというときに登ってきた人がいた。おそらく暗闇のなかで追い抜いたおっちゃんだろう。
おっちゃんと今日は天気もよく、涼しいといった雑談をする。おっちゃんは北東に見える岩木山を指さし、「2ヶ月前に岩木山に登ったんですよ」と言う。自分は今週登っていたのだが、「私も一昨昨日に登りましたよ」とは言えず、「それはいいですね」としか言えなかった。
健全な精神とはそういうものだろう。平気でべらべらしゃべって人のロマンを無下にすることはできないのだ。

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下山

おっちゃんと別れ、こんどは左回りで山小屋に向かう。また全然ルートと違う道を通り小屋にたどり着く。ここの山小屋は砂の女に出てくるような埋もれた作りであった(イメージです)。 鳥海山 御室小屋

下りは康新道ではなく通常のルートを行く。途中まで岩で石畳の階段のようになっており、とても下りやすい。
矢島口は鳥海山への一番古い道らしいがよくここまで整備したものだ。ところどころ岩を割った跡もあり、この距離に岩を積んでいくのは例え修行だとしても大変なことだと思う。 鳥海山 矢島口ルート ガレ場が終わると湿地を抜けたり呑気にくだっていくだけだ。やはり早朝の薄暗いときより明るいなかを歩いたほうが気持ちいい。 鳥海山 湿地

祓川神社に到着し、こんどは湿原をまっすぐに行かず左手に回るルートをとる。草木に遮られ眺望はない。こんなことなら日光の下で木道を歩けばよかった。
眺望がないまま歩き続けると、鳥海山が見える場所まで来ると碑があった。 鳥海山に関係のある方の碑だろうか。ネットで調べても情報は見当たらなかった。 鳥海山 碑

碑の先に展望台があり、たったいま登ってきた鳥海山の姿が見える。 鳥海山 展望台より

祓川ヒュッテの横をぬけ駐車場に戻る。駐車場には20台近くの車があった。時刻は11:50、七高山頂からちょうど2時間30分だった。

登山道の入り口には水道があり、靴を洗うことができる(飲用には煮沸が必要)。 鳥海山 矢島口

車で猿倉温泉に下る際、猿倉口の前を通った。こちらの駐車場も広かったが、車は1台もなかった。静かな登山がよければ猿倉口のほうがよいかもしれない。