【庄内の温泉】山形県酒田市 小林温泉と余目製パン

湯野浜温泉のしらはま屋に泊まった翌日、鶴岡市から最上町へ移動する。15時に赤倉温泉まで行ければよく時間に余裕があるので、庄内町でパンを買って旧平田町の小林温泉に寄ってからいくことにした。

余目製パン

山形県庄内町の余目である。兵庫県香美町の余部ではない。

庄内町の余目製パンといえば庄内地方一とは言わないまでも、余目駅周辺では間違いなく一番のパン屋である。関東に住んでいるにも関わらず、年に2、3度はパンを買いに行っている。回数×移動距離であれば10指に余る程度に位置する客だと思う。

余目駅前の庄内町新産業創造館クラッセという施設の1Fにあり、イカしたお姉さんたちが黙々とパンを焼いたり、並べたり、レジを打ったりしている。

余目製パン

買うのはだいたい天然酵母のフルーツパンかぶどうパンのような固いパンで、いつかはカウンター上のケースにはいっているオシャレなパンを買いたいと思う。
天然酵母のパンは少しお高いものの、味はよいので是非購入していただきたい。見た目は悪く見えるかもしれないけれど、たいへんおいしいのである。
今回は開店直後に行ったので、購入したぶどうパンは温かかった。天然酵母のパンは固いというのは思い込みだったようだ。

余目製パン ぶどうパン

クラッセの2Fにはテーブルが置かれた空間がある。特になにかあるという訳でなく、自由に使えるスペースという感じで学生がぐったりしていたりするが、列車待ちのときは買ったパンをここで食べることもできる。
買ったものを2Fで食べたらイートインということで消費税率は10%になるのだろうか。ややこしい税制はやめてほしいものである。

あと、この店は「カフェ余目製パン」という名前で、駅から少し離れた中学校の近くに本店があるという話を聞いた。
一度大雪のなかをぽくぽくと歩いて行ったらやっていなかった。というより店をやっているという雰囲気ではなかった。
どうなっているのか気になるものの、謎は謎として置いておきたい。

小林温泉

小林温泉は小林川に沿って南に進むと、崩れかけた茅葺き屋根の家のよこに案内版が見えてくる。

小林温泉

その角を西に曲がったところが小林温泉だ。
雨が降り出しそうな天候のせいか欝々とした雰囲気で、座敷で食事をしている人々が胡散臭そうな顔をしてこちらを見ている。
余所者を嫌う土地柄なのかと怯えたが、平日の日中にうろうろしているこちらのほうがよっぽど怪しい。

小林温泉

入浴料金は400円。外見に似合わず少々お高いが、ここは14.0度の冷鉱泉でボイラーの燃料代がかかるし仕方ないか。

中にはいると「ガニ汁&そばフェア」という食事と入浴料込みで1,200円という企画をやっていた。そういえば道路にガニ汁と書かれた赤い旗がたっていたし、受付でも入浴だけかと聞かれた気がする。
カニが好きではないので企画を知っていたとしても食べなかっただろうが、川ガニのたたき汁というのは気になる。食わず嫌いでチャレンジしたらけっこう食べられるのかもしれない。

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食堂の座敷には何人かのお客さんがいたものの、浴場には誰もいなかった。
貸し切り状態だったので利用しなかったが、受付と脱衣場の間の廊下に貴重品ロッカーもある。(受付で鍵を借りるタイプ)。

浴槽は燃料代節約のためか、ふた代わりに断熱材でおおわれていた。

小林温泉

一枚だけはずして入浴するのか全部はずしてよいのか分からないまま、3枚なので全部はずしてしまうことにした。
湯は少しにごっていて、表面には温泉成分が固まったような浮遊物が浮いている。
ここに来る前に寄った旧阿部家で身体が冷え切っていたので、たいへん心地よい。

小林温泉

壁には源泉と沸かし湯を投入するハンドルがあって、源泉だけだと冷たくなってしまうので湯も投入して調整するようだ。

源泉を投入すると硫黄の匂いが広がる。お湯のほうは激熱だったので源泉なのか水道水なのか分からない。
源泉とお湯を同時に投入すると浴槽が小さい分、すぐ湯があふれ出て贅沢な気持ちになる。ただ水を節約しろと書いてあるので、あまり長い時間投入することは遠慮せざるをえない。

秋田の金浦温泉(学校の栖)には13度の源泉をそのまま入れた浴槽があったりして、ここも同じようにすればおもしろいと思ったりもするが、そうすると喜ぶのはマニアだけで、地元の人が楽しめないと経営に影響しそう。

30分ほど経つと地元らしいじいさんがやって来たので入れ替わりに出た。

脱衣場には酒田市内の燃料店のカレンダーが貼ってあり、茅葺き屋根の集落が写っている。
こんなところがあるのか、あとで行ってみようと思ったら、その集落は京都の美山のものだった。
地元にも良い景色はあるだろう。まぎらわしいカレンダーを作るのは止めてほしい。

壁に有益な情報は見当たらなかったので、地元の人はどう源泉を扱うのか見ていたら、まったく源泉を投入しなかった。節水の精神は徹底されているようだ。