【岩出山名物かりんとう】宮城県大崎市 岩出山 坪田菓子店

かりんとう好きですか?
かりんとうは小麦粉を油で揚げて蜜をからめるという、カロリーおよび糖質が毛嫌いされつつある現在のブームには相反する食べ物である。

一般に流通しているかりんとうは甘い味付けであるが、かりんとうを名物と歌っている岩出山では辛味のあるかりんとうがあるらしい。甘いのがかりんとうの第一義ではないのか。

岩出山を通過するたびに気になっていたかりんとう屋があり、ようやく行くことができたので結果を報告したい。

岩出山

岩出山は伊達政宗が仙台に移る前に居城を構えていたところで、いまでも整備された町並みは美しい。

岩出山

その岩出山に行って目立つ店といえば麹屋とかりんとう屋である。
ともに何軒もならんでいるわけではないが、町なかに麹屋とかりんとう屋が1軒でもある地域はそうないのではないだろうか。

たとえば岩出山の裏通りにある麹屋はこのような店構えである。
それぞれの町になんでもあった近世ならいざ知らず、最近の町並みに麹屋はなかなか見ない。

麹屋

怖くて入ることはできなかったが、なにを売っているのだろうか。

麹屋のなぞは今後機会があれば確認するとして、かりんとうの話である。

仙台方面から、とくに加美町を経由して鳴子に抜ける場合国道457号を利用すると思うが、岩出山にはいると大崎方面と鳴子方面に分岐する「通丁」という交差点にあたる。
この交差点自体はなんてことないのだが、曲がろうとした先に赤字で白く「かりんとう」と書かれた店がある。

坪田菓子店

初めて見たときから行ってみたいと思っていたのではあるが、なにせ交差点の左折した先である。駐車場はあれどうかつに入ると二度と車を出すことができないかもしれない。
そんな恐れもあって通るたびに、かりんとうが名物な町なんて聞いたことがないな、ごぼうかりんとうとは何かななど興味がつのるばかりであった。

今回有備館近くの柳月食堂で昼食をとったので、ついでとばかり車で行くことのできない(行けます)この坪田菓子店まで歩いてみたのである。
結構遠かった。学生でもないかぎり地元の人が歩くことのない距離だろう。

店にはいると正面がかりんとうの棚である。
右手にはかりんとうではないお菓子が置いてあり、左手には一斗缶にはいったかりんとうが置いてある。
通販で一斗缶入りのかりんとうがあることは聞いていたものの、それは洒落でイベントなどで利用するものと思い込んでいたが店頭で普通に一斗缶を売っているとは思わなかった。
かりんとうはカロリーの塊であり、一斗缶を食べきるとなるとかなりのカロリー消費が必要である。
岩出山はアラスカのようなカロリーを必要とする地域なのか、それともぽっちゃりした人が好まれる地域なのか。

坪田菓子店

一般的なスーパーに売っているような形のかりんとうは見当たらず、目にしたことのない陳列物を吟味していると、奥からおばちゃんが電話しながら出てきた。
スピーカーにした状態で電話をしているので内容が丸聞こえだ。メーカーの人と出荷状況などを話しているようである。
隠し事をしない性分なのか、スピーカーで話すと周りに聞こえると思っていないのか不明であるが、来客は気にせず延々と話している。大胆極まりない。

電話を終えたおばちゃんと話すと、おすすめはポップの売れ筋のとおり

  1. じねんじょかりんとう
  2. よっちゃんなんばん甘辛かりんとう
  3. ごぼうかりんとう

なんだそうだ。
とくに地元で作っているなんばんのたれ(なんばんとは唐辛子のことで、たれの製品名が「よっちゃんなんばん」なんだそうだ。よっちゃんなんばんは店頭でも売っている)を使っている2の甘辛かりんとうがおすすめのようだ。
宮城県のローカルスーパーマーケットのウジエスーパーでも取り扱われるらしい。岩出山店だけかと思ったら全店なのよとおばちゃんは得意そうだった。

試供品をもらって食べてみると、2と3はピリ辛どころかドスンと辛かったので購入はせず。辛いものが不得手な人にはすすめないとのこと。

たくさんある商品から選んだのはつぎの3点である。

  • じねんじょかりんとう
  • 田舎のがき大将
  • おおくぼのかりんとう 黒ころも

坪田菓子店

「じねんじょかりんとう」は甘さひかえめ、じねんじょは養殖物で天然物は高すぎて使えない、「田舎のがき大将」は一番かりんとうのイメージに近い(確かにほかの製品はかりんとうに見えない)、「黒ころも」はしっとり系でかりっとしておらず、ペシッとした食感である、しっとり系と書いているにも関わらず時々湿気っているとクレームがあるという話を聞いた。

3点でちょうど税別1,000円だった。PayPayで支払って5%還元である。

おばちゃんに礼を言って店を出たあと、岩出山城跡(城山公園)を通って有備館まで戻った。

居城としていた伊達政宗の豪胆さを意識しているのか、かなり傷んだSLがあったり、遊歩道が荒れていたりなかなかワイルドな公園であった。

岩出山城跡 岩出山城跡