【湯治宿・自炊宿の宿泊】宮城県大崎市 鳴子温泉郷 川渡温泉 高東旅館 2020年3月

このブログもこの記事でようやく100記事となった。

新しく習得した技術がまったく理解されず展開する場所がなくなったので、それなら一般公開してしまおうと始めた技術系ブログだったが、途中から旅の記録に変わり8割の記事は旅館、温泉、食堂の紹介記事となっている。

技術系から旅行系と主題は変わりつつあるがどちらも情報を提供するという主旨に変わりはなく、少しでも読んだ人の参考になるよう両主題をたんたんと続けていきたいと思う。

さて100記事目は旅行系の最初の記事で書いた川渡温泉 高東旅館の再訪記である。

blog.misatowater.com

高東旅館

高東旅館のベースは素泊まりなので(ご飯と味噌汁だけついてくるプランや弁当がつくプランもある)、まずイオンスーパーセンター加美店で買い物をする。
もう少し先に進んだ岩出山にもTRUSTがあるけれど、イオン系列がある限りはイオンに行く。

高東旅館で2泊するときは1泊目は鍋物、2泊目は川度の菅原魚店で刺身を買ってあと一品というのが定番だったが、今回はイオンで刺身が安かったので、初日は刺身と惣菜、2泊目に鍋にすることにした。
二日目の昼を除き食材はすべて加美町で調達したので、食材調達で鳴子の経済に全く貢献しないことになってしまった。

14時チェックインということにしていたのに、イオンを出たときにはすでに14時。雪が降りしきるなか川度まで25kmほど走る。 大崎市の天気予報では昼から晴れということだったが、雪は止む気配がない。
雪を気にしてかゆっくり走る車がいたりして(地元ナンバーだったので雪になれていると思うのだが)、到着したのは14時40分くらいだった。

高東旅館

車を止めて旧館の入り口から帳場に向かおうとするとご主人がちょうど旧館にいた。
「今日は102号室で。説明は必要ないでしょ。」と簡単に受付が終わり、部屋に荷物を運び込む。これまで103号室が一番多く、102号室に泊まるのは初めてである。
初めてといっても対称になっているくらいでつくりが変わるわけではないので慣れたものである。

高東旅館

ここのWiFi環境はこれまでNTT東のサービスで提供していて娯楽室のWiFi親機にはNTTに聞けと冷たい説明があるのみだったが、フリーでの提供に変わったという情報を得ていたので、さっそく娯楽室に見に行く。
以前は置いてあったエアロバイクみたいなのやぶら下がり健康器などは撤去され、体育会系から文化系に様変わりしている。

高東旅館

親機のところにSSIDとパスワードが書いてあったので控えて部屋に戻ろうとするとご主人に会った。WiFi使いますと伝えると101号室なら届くけれど102号室はどうだろうと悲観的なことを言ってくる。
部屋に戻って確かめてみると、スマートフォンでは無理だったがPCなら接続できた。速度を計測したら25Mbpsだったので十分である。

一仕事終えて炊事場でお茶を沸かしていると、浴衣をきたおっちゃんが炊事場にはいってきた。3畳くらいの狭い空間なのにこちらにまったく気づいていない。
いないふりをしている訳にもいかないので、こんにちはと声をかけると非常に驚いた様子だった。お酒の匂いがしたのですでに遠くにいっていたのかもしれない。

おっちゃんはここは初めてで、湯治というものをやりたくて高東旅館を見つけたそうだ。
ここは放っておいてくれるからいい、ただ買い物には不自由をするなどと話しているとビール飲むかと聞いてくる。たくさん持ってきたからいらないと断ると、先客が帰りにくれたんだが日本酒しか飲まないからもらってくれと引かない。
自分の世代はビールしか飲まない人はあれど日本酒しか飲まない人はいない。さすが団塊の世代は違うと思った。
そういう話ならといただいたのはキリンの本物の缶ビールだった。いつも発泡酒なので感動する。

雪は降り続いて積り始めた。
すっかり暗くなって食事を終えたあとに外を見ると車は真っ白になっている。
チェーンは持ってきているが夏タイヤなので、明後日は帰れるのか不安になりつつ、深夜まで何度も温泉にはいった。

高東旅館 温泉

潟沼

翌朝、外を見ると車に雪は積り、地面は凍っている。
これは駄目だと11時ごろまでゴロゴロして、外に出てみるとフロントウィンドウに雪は残っているもののあたりの雪はなくなり、表の道路は乾いている。春で一度暖まった地面に雪は残らないようだ。

ランニングをする予定だったが日の当たらないところは雪が残っている可能性があるので、潟沼経由で鳴子温泉、東鳴子温泉と歩くことにする。
一周でだいたい14.5Kmである。

まず東鳴子温泉にむかって北に進み、「上野々 潟沼」の案内標識を左折し山にはいっていく。

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つづら折りになっている杉林の上りを抜けると、だんだん雪が深くなってくる。

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このあたりには牧場があって人懐こい馬が放牧されていたりするけれど、いまは屋内にいるようだ。
この馬は人懐こすぎて追っかけてきたりする。それほど大型の馬ではないけれど、人間よりは大きいので追いかけられると怖い。

さらに上り別荘街をすぎると、ロータリー交差点がある。
ほぼ交通はないので信号なし交差点でも困らないと思うが、夏場などは交通が多いのだろうか。いずれにせよ珍しい。

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潟沼と上野々の分岐で潟沼方目は冬季通行止めである。
ただ沼のほとりに温泉井戸があるので関係者の車の出入りはあるようで、轍になっている。

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轍が凍ったりしているので慎重に上ると潟沼が見えてくる。
350mほどの低山であるけれど、平地と雪の量がずいぶん違う。

写真の下に見えているのが温泉井戸である。

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潟沼に降りたさきにレストハウスがあって(冬季は営業していない)、まっすぐ鳴子に抜ける道があるけれど(冬季通行止め)、雪のあるときにそこを歩くことはおすすめしない。
昨年2月に実際に麓まで歩いたが、雪深く、30cmくらいのツボ足で一歩一歩進むことになった。ジョギングシューズだったので足元がずぶ濡れになりプチ遭難状態だった。どうしても行きたい人は防水の登山靴とゲーターが必須である。雪山登山と変わらない。

元の道に戻って上野々スキー場経由で鳴子温泉に出る。
上野々スキー場はスキーができるほどの雪はなく、中途半端な状態である。

上野々スキー場

東鳴子温泉の千両食堂で昼食をとった後、川度に戻る。
千両食堂の主人に潟沼経由で歩いてきたというと呆れていた。

川度にもどってそのまま旅館にもどってもよかったけれど、ついでに川度の温泉街を一周した。
するとキッチンなの花がなくなっているではないか!どうなっているんだ、川度温泉。

旅館にもどってちょうど歩いていた女将さんにキッチンなの花のことを聞くと、半年くらい前にやめてしまったらしい。
肉屋もなくなった、どんどんなくなっていく、魚屋と八百屋しかないと女将さんは嘆いている。
しかしあれは八百屋とはいえないだろう。

夜は鍋を作った。野菜はもやしと白菜にしたかったが白菜の1/4が売っていなかったので、もやしとしめじとネギ二本にした。
一度にネギを二本食べる人はなかなかいないと思う。

高東旅館

翌日帳場に会計にいくと、帳場にいるのはいつも女将さんなのに 今日はご主人がいた。
今回は受付から会計までご主人の対応で、「いつもありがとうございます。また来てください」と送り出された。

雪でどうなるかと思った2泊だったが、変わらず満点の高東旅館であった。