【大崎の食堂】宮城県大崎市 岩出山 柳月食堂

川度温泉から歩いていける範囲の食堂にはすでに行った、もしくは無くなってしまったので、岩出山まで行ってみることにした。

旧岩出山町の中心はおそらく岩出山駅と有備館駅の間にある県道226号の通りなんだと思う。加美町から鳴子に抜けるときに岩出山あたりで急に街になるので驚く。
街と行ってもしれた規模なのではあるが、通りがきれいに整備されており、初めて来た人はおぉっと思うはずである。

岩出山

柳月食堂

岩出山の町中に駐車場があるか分からないので、有備館の駐車場に車を止める。町から少し外れてはいるものの、広いのでいつでも止められる。
今年になってこの駐車場の前を通るたびにパトカーが止まっていて、今日もパトカーがアイドリング状態で止まっている。
なにかあったのかもしれないが近年悪いことした覚えのない自分にとっては、パトカーが止まっている限りは車上荒らしなどは発生しないだろうし、安全安心なのである。

駐車場から有備館駅の前の道を歩いていく。この道は駅前の通りなのに1.5車線くらいしかなく、人が歩くように作られていない。その割にそこそこ車が通る。
高校生が列車待ちをしている有備館駅を過ぎて、旧有備館まで来ると休館であった。

有備館

以前来た時この建物は非常に風通しがよく寒かった覚えがあるので、コロナウィルスの避けるべき3つの条件のうち、(1)換気が悪い密閉空間、(2)人が密集しているには当てはまらないように思うがどうなんだろうか。

車に気をつけながら更に交差点まで進むと柳月食堂がある。
伊達政宗が居城を構えていた町並みにマッチした色使いであるといえるが、暖簾がでていなければ店なのかなんなのかよくわからない。

柳月食堂

店にはいるとテーブル席があり、左手には座敷がある。
出迎えてくれたのは思いの外若いにいちゃんであった。厨房にいる男女の息子なんであろう、なんとなく風貌が似ている。
都会でもどこでも個人食堂はいまの経営者が引退すればお終いというところが多いと聞くが、ここは跡継ぎ問題には無縁なようだ。

開店直後だったので客は誰もおらず、一番手前のテーブルに座った。

柳月食堂

メニューはほぼ麺類であるが、カツ丼、親子丼、玉子丼と3つのご飯物がある。ここは王道のカツ丼でいく。

「電話のそばにはってね!!」というメッセージは、蕎麦と側をかけた単なる洒落と思われる。現代社会のなかで店屋物のメニューを家のなかに貼るなどということが起こり得るのはテレビの中の磯野家くらいのものだ。

柳月食堂

カツ丼を待っている間に三世代家族と思われる客が二組はいってきた。
カツ丼とからあげラーメンというのが人気のようである。
からあげラーメンは中華そばに唐揚げがのせられているものと想定されるが、100円アップで唐揚げがつくならお得だなぁ。

カツ丼は味噌汁と漬物とともに小さなお盆にのせられてやってきた。お盆のまま提供される。

柳月食堂 カツ丼

厚めのカツの下には玉ねぎが大量に敷き詰められ、生活習慣病の人も気休めくらいには安心だ。
これまでのカツ丼探求においてカツ丼の相場は850円くらいであり、それでも肉が薄かったりするところが多いなか、当店は100円安い750円であるうえに肉厚である。たいへんお得だといえる。

その前に、そもそもカツ丼が(カツ丼でなくとも)1,000円いかない価格で提供されていること自体が経営で見れば異常なことである。 大企業のこれまでの高品質なものを更に安くという手法は拡大経済で通用するものであって、縮小していく経済環境のなかでは諸外国に食い物にされるだけだ。
良いものを提供すれば買ってくれるという考えは間違っていると主張する人もいる。たしかにその意見を全否定はできないが、営業ならまだしもマーケティングでそんなことを言っている奴はただのバカである。高く売る方法を考えろよ!

個人店そして当店にまったく関係のない愚痴になってしまったが、安く旨い食事を提供してくれる各地の食堂には感謝するばかりである。
当店は後継者問題も解決しているようだし(勝手にそう思っている)、これからも岩出山のランチ需要を満たしていくんだと思う。
次回はからあげラーメンを食べてみたいなあ。