【中越の温泉】十日町市 原町温泉 ゆくら妻有

新潟県に妻有(つまり)と呼ばれる地域がある。
元々は十日町市、旧川西町、旧中里村(ともに十日町市と合併)あたりのことで、現在では十日町市に津南町を加えた地域が妻有とよばれている。

魚沼方面から国道353号でこの妻有地域に進んでいくと、清津川と釜川の合流点のすこし先に旧中里村の「ゆくら妻有」がある。何度も前を通り温泉があることは知っていたが行ったことはなかったので、津南町に向かう前に立ち寄ってみた。結論からいうとこれまで来なかったことを後悔するような素晴らしい温泉だった。

ゆくら妻有

この付近を通る割にここゆくら妻有に寄らなかった理由はタイミングが合わなかったからだ。近くの清田山キャンプ場からの帰りの際にはまだ営業時間前であったり(そそくさと帰るので)、長野方面から戻る際は野沢温泉、秋山郷であれば周辺の温泉を楽しんだあとで、1時間程度の運転ではまだ温泉に入る気にならない。つぎの温泉のタイミングは六日町や湯沢、もしくは三国峠を越えて水上になってしまっていた。

今回は津南町方面への移動で昼前は現地に到着しそうだったので、第一湯として最初からゆくら妻有を目指した。ちょうど紅葉の季節で清津峡へ向かう車はいつもより多かったものの、予定通り11時にゆくら妻有に到着した。開店から1時間後で一番風呂を目指したお客さんが帰るころでいい時間帯だ。

風呂セットなどを引っ張り出しているとタオルを忘れたことに気づいた。タオルだけで温泉に入ることはできても、石鹸やシャンプーでは必要条件を満たしていない。温泉施設で買うタオルは明らかに高いのだが、このあたりにコンビニのような便利なものはない。

ゆくら妻有

なかに入ると地方の他の温泉施設と同じように、地域の野菜などを売っている。
ここではしぶ柿が売られていた。しぶ柿の販売は初めて見たうえにそれも1個10円である。安いのか高いのかも分からない。渋いラインナップであると言えよう。

ゆくら妻有

脱衣場にはリターン式の100円コインロッカーがある。スマートフォンや車の鍵など貴重品はロッカーを利用しよう。

浴場にはいるとあきらかなアブラ臭がする。これは!
温泉は塩辛く、松之山温泉によく似た感じである。温泉分析書には「無色澄明、ほとんど無臭」となっているがアブラ臭はする。地方のボーリングしたら温泉が出ましたという単純泉だろうと思っていたのに、まったく違った。遠くの松之山温泉まで行かずともここで十分ではないか、空いているし。

ゆくら妻有 内風呂

かなり大きな浴槽で循環かなと思ったが、案内によるとかけ流しらしい。

露天風呂は3人サイズの小さなもので、小さいがゆえに更にアブラ臭が激しい。すばらしい。
投入口の湯に触ってみると、ときどき冷たくなったりするので加水して温度を調整しているのだろう(源泉は57.7度)。設置されている温度計によれば内風呂は42.1度、露天風呂は43.3度だった。ちょうどよい湯加減である。

ゆくら妻有 露天風呂

内風呂は浴槽の大きさに比べて湯の投入量が少なく感じられるので、露天風呂のほうがここの温泉の良さを感じられると思う。
ただ露天風呂の柵の向こうは駐車場と公園になっており、景色はよいものの逆に言えば外から丸見えである。外から丸見えという点でも松之山温泉の鷹の湯と似ている。向こうは外が川で見られる可能性は低いものの、こちらは公園である。夜間はさらけ出したりしないよう、とくに注意したい。

ゆくら妻有

入浴開始から出るまで数名のお客さんで、時には独占できたりしてアブラ臭の温泉を十分に満喫したのち、浴場から出てコインロッカーを開けると財布がない。汗がひかない身体からさらに汗が出てくる。

他のものはすべてあるので、財布だけ盗られるかねと焦りながらも入浴前の行動を思い出しながら、誰もいない脱衣場を探し回ると脱衣かごの中に財布があった。そうだ、脱衣かごに荷物を置いたあとに貴重品をコインロッカーにいれ、別のかごに脱いだ服をいれたのだ。最初のかごに財布を置いたままだったのだ。一番上の脱衣かごだったので人目につかなかったのだろう。

なかのカードや現金を確認すると盗られたものはなかった。もし財布が無いとなると失意で帰らなければならないところだった。年をとったとはいえ、レベルが低すぎる。

ほっとして休憩所で休んだ後、販売所でトマトベリーというミニトマトみたいなのを買った。150円。
改めて受付の女性を見ると、ひじょうに美人な女性であった(財布が見つかって気が緩んでいたからではない)。

清津川フレッシュパーク

ゆくら妻有と清津川の間は清津川フレッシュパーク(芋川交流広場)という公園になっている。
キャンプやBBQに無料で利用できるようだ。駐車場から近い場所はすでにテントが張られていたものの、駐車場から離れた場所には誰もいないくらい敷地は広い。

清津川フレッシュパーク

東屋と隣接して足湯もある。となりのゆくら妻有で温泉にはいり夕食も取れるので、お気軽キャンプにはちょうどよいかもしれない。

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