【中通りの温泉】福島県田村市 聖石温泉

福島県の伊達市から田村市まで南北に走る国道349号は、山の中を通り温泉が点在していそうな雰囲気ながら田村市に入るまで温泉がほぼ無い福島らしからぬ温泉不毛地帯である。

その国道を南下して船引に近づいてきたあたりで道沿いに見えてくるのが聖石温泉である。 東北方面での湯治の帰りはこの道を南下することが多く、聖石温泉の存在は気になっていたが、だいたい通る時間が夕刻前で店前の小さい駐車場は狭く横の道も縦列駐車でいっぱいという状況で行く機会を失っていた。

飯坂温泉からの帰り、昼前に前を通ると駐車場が空いている。そのまま通り過ぎてしまったが、Uターンして温泉にはいっていくことにした。

聖石温泉

4台くらい止められそうな駐車場に入っていくと、ニワトリのようなでっかい鳥が駐車場を横断している。
駐車場内に鳥小屋(養鶏場と書いてある)があるので、その小屋の鳥だろうが柵を越えて自由に歩いているようだ。
車で近づくと鳥は柵のなかに入っていった。かしこい。

聖石温泉養鶏場

鳥小屋の道路側には犬が2匹繋がれており、こちらにむかってしきりに吠えている。
客商売をやっているところで知らぬ人が来るたびに吠えていたら疲れるだろうと思うが、性分だから仕方がない。

聖石温泉 犬

食堂っぽい引戸の向こうから白髪のばあさんがこちらを見ている。鳥とか犬の写真を撮って不審者と思われても嫌なので、早速なかに入る。

入り口を開けてくれたのは髪をシルバーに染めたギャルだった。まったくばあさんではなく新宿にいそうな感じだ。
外のほうが明るいのではっきり見えなかったとはいえ失礼な話である。

聖石温泉

土間の奥のカウンターに座っている店主らしき人に入浴料600円を支払うと観光かと聞かれた。
飯坂温泉の帰りだ答えると、「うちより飯坂のほうが温泉はいいな」と言う。「飯坂は熱い湯にビシッとはいるのがいいんだ」と笑っていた。

浴場まではギャルが案内してくれる。ありがたく後ろをついていくと結構くねくねと曲がっていて、扉を越えたりするので案内がなければたどり着けないだろう。ちょっと帰りが不安になる。

源泉は12.6度の鉱泉で加温かつ地盤沈下防止のため循環、赤茶色の鉄分の多そうな湯である。

聖石温泉

湯の投入口には意図がよく分からないが、アヒルが積まれている。
循環なので投入口の湯を飲むなと注意が書かれているが、気にせず湯をなめてみると色の割に鉄の味はせず無味だった。循環で抜けているのか、不思議である。

聖石温泉

湯温は40度くらいで、ぬるめではあるが長時間つかるにはちょうどよい。 ぬるければ脱衣所のインターホンでぬるいと告げると温度を上げてくれるそうだ。

脱衣所はカゴがあるだけのシンプルな造りである。
反対側には洗濯機が置いてあるが、水道が繋がれていないので使用できないものと思われる。

聖石温泉

カゴだけでセキュリティーに不安を感じる人は、脱衣所の入り口にロッカーがあるのでそちらを使ったほうがよいだろう。

聖石温泉

入浴客は終始自分だけだった。
地元客が多そうなので、やはりメインの時間は夕刻前なのだろう。

入浴後は慎重に入り口まで戻る。来るときはノコノコ付いていっただけなので気が付かなかったが、いろいろ掲示がありなぜか沖縄押しである。
なにか関係があるのだろうか。

聖石温泉

入り口まで戻ると先ほどのギャルではなく、緑がかったシルバーに髪を染めた更に若いギャルが薪を割っている。
姉妹なのか?それも薪割り?

聖石のメモリーズ(能年玲奈と橋本愛)として前面にだせばいいのではないかと思った。