【中通りの食堂】福島県福島市 飯坂温泉 花水坂 笑福

飯坂温泉で13時頃にランチの店を探しても思いのほかやっている店は少ない。

先週に引き続き、吉原食堂はやっていない。その先の保原屋食堂と駅前の十綱食堂はもう行った。
あと行っていないのは鯖湖湯近くの寿司屋「紫明」と駅近くの「笑楽庵」くらいか。

寿司屋に行くと飲まずにはいられないし、笑楽庵という渋い食堂はあとで知った(笑楽庵はいずれ行かねばならぬ)。

飯坂温泉 笑楽庵

そこで少し足を伸ばして、花水坂駅周辺で食堂を探すことにした。

花水坂駅

花水坂駅は飯坂温泉駅の隣ではあるが一駅というと結構歩くように感じると思う。
が、実際はすぐそこで歩いて10分もかからない。駅前の道を歩いて突き当りの信号を左に曲がればすぐである。

花水坂駅

駅前を西に行く道沿いすぐにアルタというスーパーがあって弁当など安く売っている。飯坂温泉の素泊まり派はここで買い物をすればいいと思う。

そこからは住宅街のような感じになるが、角を二つほど進むと「笑福」という店がある。
確か3年ほど前に行ったときはご飯がなくなったからと断られた店である。リベンジという訳ではないが、ここ以外行くあてもないのでチャレンジしてみた。

笑福

全力で昼飯を食べに来いとアピールしている店である。

飯坂温泉 花水坂駅 笑福

すでに13時30過ぎなので混んでいることはあるまいと店内にはいると、客は誰もいなかった。
カウンターに座っていたおっちゃんが立ち上がり、いらっしゃいと言った。カウンター内にいるおばちゃんと二人でやっているようだ。
前回来たときはもっと若い人がやっていたような気がするが、経営が変わったのか店が違うのか定かではない。

6人くらい座れそうなテーブルとカウンターと座敷があったので、時間的に誰も来ないだろうとテーブルに座る。

飯坂温泉 花水坂駅 笑福

着席するとおばちゃんが水を持ってきてくれるので、すかさず注文をする。
一番上に書いてあるトンカツ定食800円である。

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勢いで注文してしまったが、メニューの左側の写真には煮込みカツ丼というのがあった。
写真メニューは文字列のメニュー一覧に含めるべきだろうと検索の常識を主張したいところであるが、なんにでも例外はある。

トンカツ定食からカツ丼への変更は容易と思われ(逆は大変かもしれぬ)注文を変更すれば済む話かもしれないが、年をとると詰まらぬことに見栄があるので黙っている。
煮込みカツ丼よりトンカツ定食のほうが塩分が少なく間違った選択ではないと心を落ち着ける。

メニューから読み取るにこの店は夜は飲み屋としてやっているようだ。
酔っ払いは注文を間違えると追加して注文する傾向があるので、写真メニューをメニュー一覧に含めないのは夜の心理的には正しい対処なのかもしれない。

テレビで放送しているアナウンサーの闘病記を聞いておののいていると、おばちゃんがカツ丼定食をもってきてくれた。

飯坂温泉 花水坂駅 笑福 カツ丼定食

歴史ある温泉街だけあって、盛り付けにも品がある。
雪国の野蛮さ、逆にいえば暖かさはここにはない。さすが福島の奥座敷である。

奥座敷の女中ならぬおばちゃんは、これがとんかつソースでこっちが醤油と調味料を揃えてくれたが、今夜の飲酒を考えるとここで塩分を追加するわけにはいかぬ。
慣れると肉は味付けなしでもおいしいのである。が、店の方向性を台無しにしているような気がしないでもない。

そんなことを思いながら食べていると、テレビの主題はコロナウィルスによる一斉休校の話に変わった。
今回の決定が正しいかどうかは未来が決定することだけれど、周りから難癖がつけやすい事案ではあるなと責任からもっとも遠い位置で思ったりした(次来たときはカツ丼を食べようと思います)。