【湯治宿・自炊宿の宿泊】鶴岡市 湯野浜温泉 温泉民宿 しらはま屋

腕をあげると肩に痛みがでるようになった。早く整形外科に行くべき!ではあるものの、整形外科でまっとうに検査をされたことがないので、とりあえず温泉に行って温めてみることにした。
もうしばらくすると雪が降り東北方面に車で行けなくなってしまうので、今年最後のチャンスという思いもある。

湯野浜温泉

最初は慣れた鳴子温泉で新たな宿を開拓しようと町外れの旅館に前日電話をしたら、無理だと断られた。鳴子でなにかイベントでもあるのかと調べてみたけれど特になにもなさそうだし、じゃらんや楽天トラベルで他の旅館に空き室はたくさんでている(その旅館は予約方法が電話しか見当たらなかった)。
いつもの高東旅館でもよかったけれど鳴子にこだわることはないし、終わりかけではあるがまだ紅葉の季節で混雑している可能性もあるので、新たな宿を開拓しようと山形県で温泉宿を探した。

山形県の国道47号線に近い温泉街といえば東から赤倉温泉、瀬見温泉、肘折温泉、湯田川温泉、湯野浜温泉がある。
そのなかで海の近くならシーズンオフで空いているだろうと湯野浜温泉を選んだ。湯野浜温泉の二つの共同浴場(上区と下区公衆浴場)には行ったことがあり、駐車場が少ないという難点を除けば両方ともよい共同浴場だった。

湯野浜温泉 下区公衆浴場湯野浜温泉 上区公衆浴場

旅館については検討したことがなく情報を持っていないので、じゃらんと楽天トラベルで探す。両サイトで真っ先に表示されるのが「温泉民宿 しらはま屋」であった。

温泉民宿 しらはま屋

しらはま屋は自炊はできないようなので、食事つきで予約することにした。朝夕つきで消費税込7,300円。湯治宿で連泊するよりは高いが、食事付きなら十分に安い。

イオンモール三川で飲み物を調達した後、しらはま屋へ向かう。湯野浜温泉口の交差点を越えてファミリーマートをすぎるとNAVITIMEは国道122号に沿って海側に案内しようとするが、正しくは信号を国道側に右折するのではなく、真っ直ぐ進む。すぐにしらはま屋の看板が見え、右折して路地にはいるとしらはま屋の駐車場に行ける。
しらはま屋は海の家を頑丈にしたような建物だった。

温泉民宿 しらはま屋

なかにはいると帳場の横のソファで渥美清に似た人と浴衣の宿泊客が雑談をしている。
帳場に人はいなかったので宿の人を探そうとすると渥美清が近づいてきた。ご主人だった。
「〇〇で予約しているんですけど」と名字を伝えると、「△△さんね」と名前で返された。渥美清に似ているだけあって親しみの演出がうまい。
「夕食は18時に部屋に持っていく、朝食は帳場の先の宴会場で7時から8時半まで。部屋は階段を上がって一番奥の部屋だから」と鍵を渡されてチェックインは完了した(以下、ご主人のことは渥美清と呼ぶ)。

2Fにあがると引き戸の部屋がずらりと並んでいる。
廊下の中央にあるのは浴衣、コップ、割り箸などで自由に使える。

湯野浜温泉 しらはま屋

廊下沿いの引き戸は曇りガラスだが、踏み込みの先に襖があってプライバシーは保たれており、ガラスの引き戸には鍵もかかる。
部屋にはテレビ、ファンヒーター、電気ポット(!)がある。お湯が自由に調達できるのはうれしい。

湯野浜温泉 しらはま屋

つぎに温泉を確認するために1Fに行く。渥美清は常に帳場かその横のソファに陣取っている。
「温泉は何時まではいれるんですか」とたずねると、「温泉はずっと出ているんだけど、事故があったら困るから23時から5時までは入らないで」とのことだった。

浴槽は大きく、奥のパイプから塩辛い温泉が注ぎ込まれている。銭湯のような大きさだ。

しらはま屋

塩化物泉はそのまま出るとベタベタするので、都度シャワーで流さないと気持ちが悪い。
青森の屏風山温泉はシャワーまで源泉で塩辛く、別の温泉に入り直したりした。ただこれは個人の浴後の感覚の問題で、けっして温泉が悪いわけではない。
上がるたびにシャワーで流すのが面倒なだけで、常に上がり湯で流している人には関係のない話である。

温泉で十分温まった後にビールを飲んで、PCをつなごうとするとWiFiの電波は飛んでいるがパスワードが分からない。
部屋には説明がないようなので渥美清に聞きにいくと、「壁に貼ってあるんだけど薄くてみえない?」となにか探し始めた。 壁に貼ってあるものを探してもらうのも悪いので、「もう一回確認してみます」と2Fにあがると確かに貼ってあった。

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ついでに2Fの設備を確認すると、階段の反対側に共用の冷蔵庫が2台ある。ゴミ箱も一般ゴミ、ペットボトル、カン・ビンと3種類用意されており、住環境としては完璧である。
電子レンジはないようだったけれど、素泊まりと朝・夕食つきの価格差は2,500円なので食事つきにすれば問題ないと思う。

夕食

夕食は若くはない若旦那が部屋まで持ってきてくれた。

しらはま屋 夕食

海に近いからか野菜嫌いの方でも満足という献立だった。
カニは好きではないので本当はいらなかったのだけれど、標準でカニがついているというが売りのようなのでありがたく頂く。
日本酒をガブガブ飲みながらカニを食べるとさっぱりして美味しかった。
食後に食器を廊下にだしていると、隣の宿泊客が「うん、おいしかった」と独りごちていた。たしかにそのとおりである。

夕食後ちょっと意識を失った後、温泉に行くと渥美清はいなかった。もう寝てしまったのだろう。

朝食

朝食は宴会場で他のお客さんと一緒に取る。朝は部屋に持ってこられるより、このように食事場所でとるほうが気兼ねがなくてよい。
セルフスタイルでご飯は自分でよそい、みそ汁は女将さんが持ってきてくれた。

しらはま屋 朝食

品数は少ないが朝食には十分である。

帰りの会計時、渥美清はさっきまでいたのに消えてしまったので、女将さんと少し話をした。
やはり夏場がメインで、外の駐車場がいっぱいになるくらいお客さんが来るらしい。そのかわり冬は暇だとか。
冬は風が強くて雪も吹き飛ばされて積もらないらしい。

ここは民宿と銘打ってはいるが実態は旅館である。宿泊に必要なものはすべて揃っていて、満足できる時間を過ごすことができた。間違いなく再訪したい旅館の一つである。
設備の豪華さではなく、気軽さ、便利さを求めるならばぜひおすすめしたい。