群馬の温泉
群馬県の共同浴場といえば天下の名湯とされる草津温泉の19ヶ所の共同浴場が有名である。 有名すぎて人が多すぎるのと、観光客のマナー等の問題により公式に外来を認めている共同浴場は3ヶ所と少なくなっており、ゆったりと温泉を楽しむことが難しくなってきている(草津温泉の湯が素晴らしいことに変わりはない)。
関東で普段から雑踏のなかで生活している人がわざわざ混雑しているなかに進んでいく必要はないと思うし、また群馬にはほかに特徴ある共同浴場があるので紹介したいと思う。
沢渡温泉 共同浴場
草津温泉から中之条に抜ける県道55号線沿いの音声街にある共同浴場。
温泉街といっても旅館が中心で、寄るようなところもないので皆旅館のなかでゆっくりしているのだろう。坂だし。
山沿いにあるにもかかわらずやたら日当たりがよく、雰囲気があかるいので歩いているだけでも無駄に楽しくなってくる。
浴場前に数台駐車できる。満車の場合は草津温泉側に進んで川を越えたところに公園の駐車場がある。
浴槽は二つあって熱湯、温湯と温度を選べるとのことだったが、どちらも適温で違いは分からなかった。何人かの先客は地元の人のようだったので、好きにうめているようだ。地元客の特権である。
温泉は熱めだけれど優しく感じる。草津と比較してしまうからだろうか。浴場から出たくなくなる、のんびり感にあふれている。
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猿ヶ京温泉 いこいの湯
猿ヶ京温泉の西のはずれにある共同浴場。
観光のかたは中心近くにあるまんてん星の湯とかのでっかい施設に行っているのだと思う。軽トラに乗った地元の方々が多くやってくる。
日が落ちてから行ったので外観の写真はない。国道から少し離れただけなのに真っ暗である。
浴場前に4-5台は駐車できる。ほかにも駐車場があるらしいが、満車だったら帰ったであろう。
車のライトがあるから進めるが、歩きでくると田んぼに落ちかねない。
温泉にこれといった特徴はなく、ここ目当てではるばる運転していくようなところではない。地元の人が風呂桶をかかえてやってくるようなところである。
それでも風呂上がりに真っ暗ななかでたたずみ、「いい湯だったな」と思える温泉である。
林温泉 かたくりの湯
八ッ場ダム近くの林集落の地元の方のための共同浴場。ありがたいことに外来者にも開放いただけている。
ここが目的でなければよそ者が来るようなことはないというような場所にある。
別の目的があって来たとしても、ここが共同浴場だとは思わないだろう。
アブラ臭では群馬を代表するような温泉である。 写真では欠けているが、湯口は石で流れを調整し浴槽と外に流す仕組みになっている(見ればわかる)。すべて浴槽に流して源泉を楽しみたい思っても、源泉は非常に熱いので多くを外に流してしまうことになる。贅沢なことだ。
地元の方にとっては外来は邪魔なだけだろうし、このあたりはお金を使って地域に貢献できるようなところもない。
本当に好意だけで開放しているのだろうと思う。地元の方々に感謝するのみである。
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湯宿温泉
国道17号を猿ヶ京温泉から南に下ったところ、逆からだと月夜野から北に上ったところにある。
17号からは目立たないし、実際なにもないので多くの人は通り過ぎてしまうのだろう。
が、ここには4ヶ所の共同浴場があり、関東では一番好きな温泉街である。新潟経由で帰る際は必ず寄ってしまう。
ただ共同浴場の外来受付が16時から21時なので来るのはたいてい夜である。
湯宿温泉はつげ義春の「ゲンセンカン主人」の舞台である。「ゲンセンカン主人」を知ったきっかけは唐沢なをきの「電脳なをさん」だった。Second Lifeのアバターを主人公にしたパロディで、似た画風のパロディがいくつか出てくるので、逆引きでつげ義春を知ったのである。
「ゲンセンカン主人」を読んだのち初めて湯宿温泉に来たときは(夜だったよ)、薄暗い路地に「ゲンセンカン主人」さながらの雰囲気を感じ、またぽつぽつある街灯に照らされた石畳を歩きながらつげ義春もここを歩いたのかと感動したものであった。
何度か通ううちに石畳は平成になってから助成金を使って作ったことを書いてある看板を発見した。つげ義春とはなんの関係もなかった。でもいいのだ。この街並みは圧倒的に「ゲンセンカン主人」の世界なのだ。
4つの共同浴場で一番大きく分かりやすいのが窪湯で、やはり最初はここをお勧めする。
温泉は無色透明でなんともいえない香りがする。窪湯、小滝の湯、竹の湯はそうでもないのだけれど、松の湯はかなり匂う。初めてはいったときは先客にそうとう体臭がひどい人がいたのかと思ったほどだ(失礼)。
各浴場には寄付者の名前を書いた板が張り付けてあるが、あれはどうやって寄付するのだろう。機会があれば少しでも貢献したいと思う。
みなかみ町のふるさと納税で湯宿温泉維持とかやってくれないかな。
国道17号線の湯宿温泉の入口に「やまいち屋」という蕎麦屋が20時ころまで営業しているので、蕎麦をたべて温泉にはいって帰るのもよい。
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くらぶち相間川温泉 ふれあい館
ここは共同浴場ではない。
どこかのwebで楽しいと書いてあったのを見て両神山に登った帰り道に寄った。
黄褐色の濁った湯で、長風呂するなと注意書きがたくさん貼ってある。なにかあるのだろうか。
食堂の夜の営業が18:30からでお客さんが開始を待ちわびていたり、やる気がないのか頑ななのかよく分からない緩さがある。
一般は510円だが、高崎市民は310円でうらやましい。