【湯治宿・自炊宿の宿泊】山形県大蔵村 肘折温泉 旅館 玉乃屋

1月の終わりに雪深い肘折温泉に湯治に行った。
昨年も同じころに来た山形は降雪がひどく、奥羽本線も前日から運休、遅延が続き、前日に泊まったかみのやま温泉から新庄まで半日を要した。在来線が運休していたため普通切符で山形新幹線に乗車できたものの、かみのやま温泉駅、山形駅ともに2時間近く電車を待ったように記憶している。

肘折温泉

すずもと食堂

今回はそれほど雪も多くなく、5分程度の遅延で新庄駅に12:40分に到着した。
雪が少ないといっても関東とは違う景色である。

すずもと食堂

肘折につく頃に昼食は期待できないので、駅近くの食堂を探して「すずもと食堂」を発見した。観光向けではない佇まいがよい。
かつ丼750円。甘めの味付けだった。

すずもと食堂かつ丼

肘折温泉行のバスは県立病院発、新庄駅を経由して肘折に到着する。駅前で団体の乗車に遭遇するのも嫌だし、また時間もあるので県立病院から乗った。昨年までは100円11枚つづりの回数券を購入していたけれど、往復券というのができたようだ。運転手さんから購入する。

旅館 玉乃屋

雪の中バスは肘折温泉まで進み、第一停留所にご主人が迎えにきてくれていた。でも場所は分かるので案内はお断りし、終点まで乗った。雪を見慣れないので雪道を歩きたいし、直角に曲がったメインロードをバスが曲がるのが楽しいのである。いまはマイクロバスで余裕だが数年前までは普通サイズのバスがぎりぎりで曲がっていたらしい。

肘折温泉温泉中心

玉乃屋はまわりの旅館と違って変わった外観の建物である。スキー場ちかくにありそうな建物だが,ここは湯治場だ。建物が出来たとき周りの人々は驚いたのではないだろうか。

肘折温泉 玉乃屋

部屋数は6部屋(2Fに3部屋、1Fに3部屋なのかな?)で、今回は2階の部屋だった。ファンヒータとこたつがあり、部屋は暖かく快適であった。
お湯はポットでの提供である。湯沸かしの設備はないので、水分をやたら取る人は近くの土産物屋でペットボトルのお茶なりを買ってきたほうがよい。
ふとんは自分で敷く。

玉乃屋室内

温泉は男女別それぞれひとつずつで、清掃時間を除きいつでもはいれる。
ご主人曰く肘折唯一の加水なしの温泉だそうだ。肘折の高温の源泉に加水したくなくて、ステンレスのパイプに源泉を通して冷やしているそうだ。冬は冷えるだろうが夏はどうなのか疑問だが、ご主人は自信ありげだったので問題ないのだろう。
熱いと感じる人向けに加水できるよう蛇口もある。しかしここはご主人の心意気に感じて加水は遠慮すべきであろう(温度管理はしっかりされています)。

玉乃屋浴場

2019年1月当時の料金

一泊当たり(税込)
宿泊費(二食付) 6,000円
暖房費 400円
入湯税 150円

食事

夜、朝とも部屋食である。
湯治プランでお安い金額だったのでおそらく品数は少なかったはずだ。でもお酒を飲む私には十分な量である。写真はともに夜の食事なので足りないと思う方はお高いプランにすればよいと思う。
※お酒は別。カネヤマ商店で買ってきた。冷蔵庫に瓶ビールが入っていたけれど何だったのかな?

玉乃屋食事

玉乃屋食事

食後は膳を廊下に出しておく。
連泊中は昼もでる。写真はないけれど、焼きおにぎりをもらった。昨年泊まった木村屋旅館ではうどんだったので、どこも同じようなものだろう。そもそも運動できる環境ではないので、昼食までしっかりとるとデブまっしぐらである。

(冬の)観光

街も小さいし、雪に埋もれているので旅館で寝ていたほうがよい。
何軒かの土産物屋は同じものでも微妙に価格が違うので、資本主義の原理はいきているようだ。
じっとしていられない人には黄金温泉まで徒歩でいくことをお勧めする。雪の壁にはさまれた道を30分も歩けば着く(除雪されています)。ただし途中には民家くらいしかなく避難できる場所はないので、自走できる服装、装備で行ってほしい。
入浴割引券を旅館でもらえるので忘れずに。

黄金温泉への道

雪のないところに暮らしている人には除雪車が稼働しているのを間近に見られるチャンスだ。
あと途中の民家で大量の水を流して融雪しているが、あれも温泉なのだろうか。

帰路

帰りのバスも終点から乗る。昨年はバスがほぼ満席だったので早めにバス停に来たけれど乗客は6名くらいでガラガラだった。肘折を出てからところどころで乗車があり、新庄駅につくころには満席になった。地域の足としても重要なのだと思う。
新庄から陸羽西線に乗り酒田経由で帰る。山居倉庫は静かに雪に埋もれていた。

山居倉庫