【奥会津の食堂】只見町 美好食堂

美好食堂は只見駅から歩いて5分ほどの場所にある。
駅からも歩いて行けるが、現在只見駅から会津川口駅までは豪雨災害で不通となっているので、よほど理由のない限り汽車に乗って只見に行くことはないと思う。
只見 - 会津川口区間は鉄道橋も壊れたままで、線路も草ぼうぼうのままだった。

会津大塩駅

だからこのまま廃線になるのかと思っていたら、2021年度を目途に復旧されるらしい。
鉄道がなくなってしまうとさらに寂れてしまうので、たいへんすばらしいことだと思う。

只見振興センター

只見振興センターに車をとめて歩いていく。美好食堂の前にも3台くらいは駐車できるスペースがあるが、よほどの僻地でなければ店の前にとめるのは好きではない。

以前は只見駅に駐車していたが、只見駅はまったく町の中心ではなく、おまけに只見線を見ると満足してしまって街中を散策せずに終わってしまうので、もう少し街中に駐車することにしている(といっても数百メートルの違いだ)。
只見振興センターを駐車場代わりにに使っていいかどうか分からないが、駐車スペースは広いし、SLも展示してあり案山子もいるので、そういうところだと思って止めさせていただいている。

駐車場と建物の間が抜け道になっているようで、いちど昼寝をしていたら結構車が通った。と言っても1時間に2台くらいの話だ。

美好食堂

只見振興センターから田んぼの間を通っていくのが最短コースであるが、ここは敬意を表して大通り(国道252号)から行く。

国道に出て右に曲がって二つ目の交差点に美好食堂はあるはず。しかし見当たらない。google mapが示す角には、閉店した電気屋か工務店のようなものがあるだけだ。
ああ、これは別業態の店に併設した食堂がかつてはあって、もう辞めてしまったんだなと思い、只見振興センターに戻り、そこから太郎鮨に行く。

準備中。

ここは行くたびに準備中だ。googleでは通しで営業していることになっているのに、見る限り日中はいつも閉まっている。あと子供がよく外で遊んでいる。
ほかに店もないので、裏から美好食堂のほうに行ってみる。

するとあった。建物の裏に隠れるように作られている。

美好食堂

google mapでは角にあるように見えるが、拡大すると確かに一軒内側になっている。

店内では女子高生3名が食事中であった。7月の暑い日だったが空調はなく、扇風機がまわっている。

ソースかつ丼コレクターとしてはソースかつ丼を注文しなくてはならないのだが、山に登ったあとだったので野菜を摂らねばと思い、タンメンを頼んだ。800円。
運動をしたあとに必要なのはタンパク質でビタミンではない。そうとう疲れていたのだと思う。

しばらくして運ばれてきたタンメンは独特のものであった。

美好食堂 タンメン

野菜の炒めたものというより漬物を細切れにしたようなものが大量にのっている。

20代のバカだったころ、ツーリングに行って晩御飯を鍋にしようと野菜の代わりに白菜の漬物を買って作ったことがある。塩辛くて食べられなかった。
なにごとも経験で、それ以降そういう馬鹿なことはしなくなったが、このタンメンは大丈夫なのだろうか。

杞憂にすぎなかった。野菜が細かいだけに箸の動きは多くなるものの、にんにくの香りが効いてうまい。ただタンメンが熱い分、空調がない状態ではだんだん暑くなってくる。

暑さと戦っているなか、新たに一人のお客さんがきた。文字を書き連ねたような変わったTシャツを着ている。そして先客の女子高生と挨拶を交わしている。そしてタンメンを注文した。

これ以上食べ続けると汗が止まらなくなるという段階でタンメンを食べ終えた。一息ついていると、その一人客が水をくむのか自分の前を通った。なんとなくTシャツに書いてある文字を読み取ると、只見高校の教師一同とかなんとか書いてある。

高校の先生だったのか・・。

高校の先生が休みの日に食堂に昼食を食べに来て、そこで生徒と会う。なんか青春だなあ(先生らしき人も若かった)。でもなんでそんなTシャツ着て歩くかなあ。

会計を済ませて外に出ると、さきほどの女子高生が食堂の住宅部分付近でキャッキャとはしゃいでいる。
そこの息子になにか用があって呼び出す必要があるが、どう呼び出すかなかなか決心がつかないようだ。そこはかとない感情が漂っている。

田んぼからの風にあたりながら、ただただ感心した。