肘折温泉から庄内空港へむかう途中、余目駅で降りた。
余目に来れば余目随一のパン屋「余目製パン」によってパンを買って帰るのが常である。
今回は乗換時間に余裕があるので、「余目町個室付浴場事件」の建物を見たあと昼食をとり、さいごにパンを買うことにした。
余目町個室付浴場事件
行政権の濫用と点でたいへん有名な事件で、法律に関わる人たちの聖地になっているらしい。 ネットで調べれば 最高裁判所の判例 をはじめ解説がたくさんでてくる。
跡地は余目駅から歩いて20分くらいのところにある。法律に関心があるわけではなく、単純にどういう場所で営業していたんだ?という興味本位で行った。
余目駅から線路沿いを歩いていくと、ちょうど新潟にむかう特急いなほ8号が通った。
車では何度も通ったことのある余目こ線橋を歩いて渡る。
羽越本線をこ線橋で超えると、商店などない住宅街にはいる。
その先が跡地である。
土曜日の聖地なので法律関係者がうじゃうじゃいるのかと思ったが、だれもいなかった。
蔦がからまったりしているものの1968年建設ですでに50年を経過している割にはしっかりしている。
よくこんな場所につくったものだと思う。
酒田や鶴岡、庄内一円から集客する予定だったのだろうか。当時の事業計画があれば見てみたい。
店前に駐車できるスペースは数台だと思う。今隣は民家となっているが、建設当時は第二駐車場や従業員の駐車スペースがほかにあったのかもしれない。
建物の裏手は陸羽西線の線路なので、新庄方面から列車でやってきて車窓からこの建物を見てわくわくした客もいたんだろう。
裏の給水塔やボイラーの煙突はまだしっかりしていた。
一幸食堂
跡地を堪能した後に余目駅まで戻る。
行きも帰りも、建物を見ている最中も歩いている人は見かけなかった。車はけっこう通る。
一幸は余目駅を出て駅前の通りをまっすぐ進んで右手に見える食堂である。その先には「かなめ食堂」があり、食堂が二つ並んでいる。
店はおばちゃん3人でやっていて、テーブル3席と座敷4席は入れ替わり立ち替わり満席状態が続いている。13時過ぎなのに盛況である。
ほとんどの客は中華そばやその類を頼んでいる。
庄内産の米を使用していると宣伝文句があったが、このあたりの人は麺類を好むようだ。
地元の人にとっては日常食べている米が庄内産であろうからキーワードにとくに興味はないのだろう。
注文時に旅行客には列車の時間は大丈夫かと聞いてくれる。
かつ丼にしようかと思った。しかし昨日もかつ丼だったので、今日はカツライス 800円にする。テーブル上のメニューには書いていないが壁には貼ってある。


正面のテレビではNHKの「麒麟がくる」を放送している(いま検索してタイトルを知った)。
誰が主人公で、誰が演じているのか分からない。戦国時代が舞台なんだなということだけが理解できた。
俳優とかは別にして、シーンだけでそれがどの史実なのか当てるクイズをしたらものすごい博学な人が現れるかもしれない。ただ演出や予算的にテレビ向きではない。
カツライスはかわいく登場した。
ライスの上のグリーンピースは五芒星なのか!
ピーマンと人参の素揚げの付け合わせもいい。
余目製パン
余目に来たら余目製パンの天然酵母パンを買わなければならない。
天然酵母のパンにはぶどうパンとフルーツパンがあって、少々お高いのではあるがフルールパンにした。
一つ税込みで594円である。
最初から切ってあるときとそのままのときがある。今回は切ってあった。
ひとつ全部食べるとお腹いっぱいになるので、余目に来たらぜひ買ってください。